2025年10月31日(金)上海大学と当進める会の共同主催による日中国際研究集会「皇居に隠された中国の国宝」を無事に開催いたしました。当日は、会場におよそ100名、オンラインにも日中両国から数名の方々にご参加いただき誠にありがとうございました。
上海大学中国海外文物研究センターの陳文平氏は、文化財の追跡と返還が国際社会の重大な課題であること、並びに中国が世界で最も文化財の流出が深刻な国の一つであることを強調しました。また、唐鴻臚井碑の中国における歴史的・文化的価値や、日本へ流失した経緯を説明しました。欧米では、植民地支配を背景とした流出した文化財の返還をめぐる動きが活発化する中、日本政府に対しても、この世界的潮流に注目し、それに沿って積極的に関与してほしいと呼びかけました。
当進める会の共同代表である五十嵐彰氏は、終戦前後に陸軍中枢機関などで大量の公文書が組織的に焼却され、戦争犯罪の証拠隠滅が図られた事実を、市ヶ谷や大橋遺跡からの出土資料を基に指摘しました。さらに、収奪された文化財(戦利品)のうち、GHQ指示下で一部が返還されたものの、多くの文化財が未だに日本国内に留められている実態を、具体的な事例を挙げて示しました。最後に、「私たちの責務」として、戦時・植民地期に不当に奪った文化財を本来の場所に返す必要性を強調。これは、自らの歴史認識を根底から改め、「返して欲しい」という本来の持ち主からの要求に答えることであり、「人間としてなすべき責務」であると結びました。
大連714志願会の姫巍氏は、新に発見された日清戦争後に日本へ流出した文物:金州城北門の扉(金州鎧門)、海城市の4つの城門の扁額、大連湾和尚島中砲台の扁額、旅順の老蛎嘴にあった「東方震出」の石額、旅順の北洋水師海軍公所にあった扁額及び山東省威海市の劉公島北洋海軍公所門前にあった旗竿を紹介しました。